第二章…昼の顔

7/11
前へ
/99ページ
次へ
『いや、お手数をおかけしました。 善意の医師と有名な…タンブルティ先生が、そんな事をする訳が無いですよね…』 はっ!俺が善意の医師だってぇ! 俺は内心、せせら笑いながら… 神妙な顔で答えた。 『善意の医師だなんて…私は当たり前の事をしているまでです。 お役に立てず申し訳ありませんでした。』 『あ…いえ、こちらこそ…では何か気が付いた事があれば…』 クロフォードは俺を完全に疑っていなかった。 『事件の早い解決を祈ってます』 俺はそう付け加えて…この善良で間抜けな刑事を帰した。 クロフォード刑事! あんた仕事を変えた方が良いぜ! 俺は心の中で、そう…せせら笑っていた。 そう…事件は解決しない… 俺には捕まらない自信があった。 そして…クロフォード刑事は俺の所には、二度と来なかった。
/99ページ

最初のコメントを投稿しよう!

281人が本棚に入れています
本棚に追加