第二章…昼の顔

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俺は平素、善良な医者を演じていたのが良かったのか… クロフォードだけでなく…警察の誰もが、俺を疑ったりはしなかった。 ポリー…本名、メアリー・アン・ニコルズの殺人事件の捜査の中に…俺は入って居なかった様だ。 警察…スコットランドヤードは、殺人犯のイメージを…売春婦に恨みのある、左利きの人物と特定し…尚且つ最下等の労働者達に居ると、思い込んでいたようだ。 俺はヤードの刑事達が犯人探しに躍起になっている時も… 通常と変わらず、仕事を続けていた。 『おや?お嬢ちゃん?今日は何処が悪いのかな?』 俺は子供の患者相手に…限りなく優しく接していた。 そんな俺を見て…子供の親は安堵の表情を浮かべ… 助手のメアリーは頼もしく見ていた。 俺の正体は…残虐な殺人犯だぜ?
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