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そんな中…仕事中にアニーがポリーの葬式の日時を伝えに来た。
『9月7日だって…結局、別れた旦那がやる事になったわ。
先生も出るんでしょ?』
『ああ…彼女も私の患者だったから、出ないとな。』
俺は当たり障りのない返事をした。
『知らせてくれてありがとう、アニー。』
『あはは、どう致しまして。先生にはいつも世話になってるからねぇ…』
彼女はそう言いながら帰って行った。
立ち去る彼女の…無防備な後ろ姿を見た俺は…
またしても、あの感触を味わいたくなってきた。
あの…喉を掻き切り…
絶命する寸前の身体にナイフを突き立てる感触を…
彼女は見ていなかったと思うが…
その時の俺の顔は…
殺人鬼の顔になってたに違いない…
しかし…そんな思考もメアリーの呼ぶ声で中断された。
『タンブルティ先生…!患者さん達がお待ちですよ!』
『ああ…今行く』
振り向いて、診察室に向かう俺の顔は…
いつもの人当たりの良い…善良な医師の顔になっていた。
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