第三章…第二の殺人と狂騒。

3/15
281人が本棚に入れています
本棚に追加
/99ページ
ハンバリー・ストリートに着いた俺は、さっそくアニーを探し始め…程なくして彼女を見つけた。 彼女は、とある貸間長屋の側に、手持ち無沙汰な様子で立っていた。 俺は知らぬ顔で…彼女の側を通り過ぎる…ふりをした。 俺の狙い通り…彼女は俺を目ざとく見つけ…側に寄ってきた。 『旦那…安くしと……あら!先生じゃない。こんな時間にどうしたのさ?』 彼女は少しびっくりしていた。 『ああ、私も男だからね、たまには…店に行こうかと思ってな』 俺は少しバツが悪そうに答えた。 そんな俺にアニーは言った。 『先生もそんな時があるんだねぇ!ん…あたしで良かったら、只で良いよ。どう?』 アニーは本当に人が良い… 俺が何者かも知らずに! 『ああ…じゃあ…頼もうかな…』 俺は躊躇いがちに言った。 内心は…これから先の快楽を想像し…胸の鼓動は限界まで高まっていたのだが… 『ああ…!良かった!いつも先生には世話になってばかりだからねぇ…こんな事でしか恩を返せないけども…』 彼女はかなり嬉しそうだった。
/99ページ

最初のコメントを投稿しよう!