第一章… 暗闇にて……

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………… 俺の目は、路上にある白くモヤッとした物体を見ていた。 周りの風景は、暗闇に包まれ… 僅かなガス灯の明かりが、その暗闇の中で唯一の助けであった。 そのガス灯の明かりが…俺の目の前の物体を照らしていた。 その物体は…ほんの数分前までは、一人の女だった。 俺の目は、その人間だった物体を見ている… 俺のは左手には…血に濡れたナイフが握られていた。 ああ…彼女をこのナイフで刺した瞬間の…………… えもいわれぬ感触と…あの興奮といったら…! 俺は数分前のその瞬間を思い出していた。 女は立ちんぼの売春婦だった。 彼女は俺の姿を認めると… 酒臭い息を吐きながら、仕事の誘いをしにきた。 『ねぇ…あんた、私と寝ない?安くするわよ?』 彼女はそう言いながら…正面から俺の首に両手をまわした。 『ああ…良いぜ。』 俺は気安く答えてやった。 『良かった、あんたツイてるね。今日はあんたが初めてだよ。』 彼女は俺と離れ背中を向けた、 彼女の仕事場…つまり彼女の部屋に俺を案内するためだ。 『うんとサービスするわよ。』 彼女が前を向いたまま、そう言った瞬間… 俺の右手は後ろから彼女の口を塞ぎ、左手に握られたナイフでその喉を……… 『たっぷりサービスしてもらうぜ…』 俺は…そうつぶやいた。
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