第三章…第二の殺人と狂騒。

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『あぁ…骨がいってなくて良かったよ…いてて… あ、先生…』 『治療費は後で良いですよ。まずは身体を直さないと… 二日くらいは安静にして下さい。』 俺はいつもと同じ台詞を言った。 『いやぁ、先生、いつもすまねぇな…』 男はバツが悪そうに言った。 『いえ、困った時はお互い様です』 表の顔の俺は…ありえないくらい善人だ。 『しかしヤードの奴ら…かなり焦っていたな… 畜生…あのエプロンを落とした犯人…見つけたらただじゃおかねぇ!』 『早く捕まれば良いですね…』 俺は心底同情した感じで、相槌を打った。 内心は… せせら笑っていたけどな。 口から出かけたほどだぜ… お前をそんな目に合わせた犯人は… 俺だ!ってな。 けど…俺の口から出た言葉は… 『お大事にしてください』 だった…
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