第三章…第二の殺人と狂騒。

10/15
前へ
/99ページ
次へ
その後も…俺の診療所には、こんな感じの患者がよく来た。 警察はかなり焦っていた様だが…犯人を捜し出せる訳がなかった。 犯人は俺なんだからな。 警察…スコットランドヤードには、いろいろな情報が大量に寄せられ… かえって混乱したようだった。 例の可哀相な連中は…密告と噂だけで容疑者にされ、酷い取り調べを受けたのだった。 その内…新聞でも、あからさまな警察批判が起こった。 税金泥棒…とか、無能な警察…とかって言う文言が紙面に躍った。 これを見かねたサミュエル・モンタギューっていう地方議員が… 犯人逮捕に100ポンドの報奨金を出す…なんて言ったもんだから、警察には前にも増して、愚にもつかないガセネタが流れ込む事になったようだ。 そんな中でも…俺は善良な医師の顔で… 平素となんら変わらない生活を続けた。
/99ページ

最初のコメントを投稿しよう!

281人が本棚に入れています
本棚に追加