第二章…昼の顔

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『そうか…可哀相に………』 俺は身震いした女患者…アニーと言う通り名を持つ売春婦の仕草を見て… 気の毒そうな顔をして答えた。 内心は笑ってたんだがな。 『で…彼女の家族は?』 『別れた旦那と子供がいるみたいだけど…ポリーの身体を引き取るっては言わなかったわね…』 アニーは、また大きなため息を付いた。 『ん…アニー、診察は終わった。酒は少し控えた方が良い。 薬は出しておくよ』 『先生…診察料は?』 彼女は怖ず怖ずと聞いてきた。 『今は無いんだろ?なら、後で良いよ。』 後で良い…は、この頃の俺の口癖だった。 『本当かい!先生!いつもありがとう。 お客で来たら…うんとサービスするよ!』 彼女は喜色満面の顔で言った。 『ああ…けど、酒は控えろよ?薬が切れたら、また来てくれ、 後…ポリーの葬式の日取りとか決まったら…私にも知らせてくれ』 俺はそう言って、アニーを帰した。
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