BLOOD+CROSS‐#1 物語の始まり

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背中まで貫通した腕をゆっくりと引き抜く。床には娘の真っ赤な血の池が作られていく。 「ゲホッ、はぁはぁ…くっ…相変わらず化け物ね…」 ガタン!! ドサア…。 床へと両膝をつき、ゆっくりと力が抜けていくように倒れていく。血を出しすぎたことも関係しているのだろう。肩で大きく呼吸をしている身体は僅かに震えていた。 「はぁ、はぁ…ふふ…貴方に挑むのにただの聖銀の短剣だと思ったの…?」 白銀の短剣に白い光を宿した文字が浮かび上がっていく。 「!!この文字はまさか…!」 「気付くのが遅かったね…ドラクロア伯爵…」 キイイイイィィィィィィーーーーン!!!  ドオオオオオオオォォォォォォォォーーーーーーーーン!!!! ドラクロアと呼ばれた黒衣の男の足元に白い光を放つ魔方陣が浮かび上がり、眩いほどの光を放つ。 ―――――聖光結界。 これは闇の力をもつ者を、神聖なる光の結界の中に閉じ込めることで相手の魔力の源を封印し、弱らせることができる神聖魔法の1つ。 特筆すべきは…術者の能力により、効果の持続時間が変わる特性を持つこと。
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