BLOOD+CROSS‐#1 物語の始まり

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「…おかあ、さん…??」 まだ年端もいかない男の子が、血だらけになって横たわる娘のもとへと歩いていく。命の灯火が失われかけた大切な人、自分の母親…。 母と呼ばれた女性は精一杯の笑顔をその男の子に向け、力なく床で眠るように目を閉じ若い生涯に幕を閉じた。 「…ドラクロア…許さない…!!」 男の子は血塗れの母の亡骸に抱き付くように顔を埋め、声を出して泣き始めた。 「う、うぅ…ううう…うわああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーー!!!」 男の子の叫び声の混じった鳴き声は、暗い、暗い夜の闇に消えていった…。 ―――…‥あれから13年後。 辺境の村 エルリカ 「この近くに吸血鬼に関する館があるのか…」 俺の名前はアルフレド・ルークス。吸血鬼に母さんを殺された俺は、両親の友人であるルークス家の養子として育てられた。 あの時から吸血鬼狩り(ヴァンパイアハンター)になると決め、様々な魔物に関する知識や戦闘術を学んだ。 そして念願の吸血鬼狩りになった俺は、旅をしながらドラクロア伯爵に関する情報を集めていた。
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