梟、鳴く夜に

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俺はカバンを手に取り、玄関に向かう。 それを見た真緒は慌てて、 「あ!待ってよぅ!ホースケ!」 カバンを持ち玄関へ。 「おう!しょっぱなから寝るんじゃねーぞ!タコ輔。」 「タコって言うな。タコって。 墨吐くぞ。」 「ホースケ………それタコ発言だよ。」 靴を履き玄関のドアを開くと俺は悠姉に笑って、 「行ってきやす。」 外に出た。 真緒も続けて、 「じゃ!悠祈姉さん、行ってきます!」 「行ってらっしゃい。勇輔と彗星をよろしくな(笑)。」 「はい!」 こうして、俺と真緒は俺ん家を後にした。 季節は春。 空は晴れ渡り、桜木が美しく咲き乱れ俺はそれに目を奪われた。 今日から高校2年生だ。 ―――――ここは俺の住んでいる地域内で。 まぁ、一言で言えば俺ん家の近所。 この赤い屋根の家に、俺のもう一人の幼なじみがいる。 インターホンを俺は連打! そして叫ぶ。 「コメットォォォォ!野球しようぜ!!」 「何!?その誘い方!?」 するとドアが開く。 ものうるさそうな顔をしている男。
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