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「どうしました? 笑って」
「えあ? 私、笑っていたか?」
「ええ……とても優しく」
などと、柔らかく優しい笑顔で聞かれてもな……
「ふむ……まだまだだな私も。
なに、ホラ。この前、『相談屋』に新しく私の補佐をしてくれる男の話をしたろう?
今、奴の可笑しなところを思い出してな」
「ああ……ふくろう君……でしたっけ?」
「そうだ」
私は首を鳴らすと、珍しく静香は声を出して笑う。
……今の発言……私は変なコトを言ったか?
「クスっ!……ごめんなさい美柑さん。可笑しい訳じゃありません。
美柑さんは、その……みみずく君―――」
「フクロウだ」
「そう、ふくろう君。
ふくろう君が気になるのですか?」
「がっ!?」
ぐきっ!
私は変な方向に首を違えた。
静香は悪気を一切出さない笑顔で平然と見つめる。
首が……うう……。
「ばっ、変なコトを言うな静香! 誰があんな男を! 私は昔から静香に話しているだろう愛谷 彗星のコトを!
大体なぁ……確かに、フクロウは、お人好しで人の為に泣ける、今じゃ珍しい型の男だが―――」
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