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「バカで、不器用で、軟弱ヘタレで、かつ無謀で、ハレンチで、能天気な。
そんな男を気になるはずなかろう!」
私は息も入れず機関銃の様に発していた。
何故に私はこんなに熱く語っているのだ!?
静香がクスリと笑う。
「でも、その愛谷君の話と同じくらい、最近はふくろう君の話をするじゃないですか。
貴方が熱心に殿方の話を。それも二人も」
「むあっ!? そ、そんなに私はフクロウのコトを静香に話していた……か?」
「はい♪」
「……うぐ」
私はそれきり言葉が出ず、少し背が縮んだ気がした。
でも、大丈夫だ。
うん。大丈夫。
フクロウは良い奴だしな。静香(親友)に話してもおかしくない。
私は愛谷一筋だ。うん。約束を果たすのだ。
その為にフクロウは手を貸してくれている。
私が深呼吸をし頭を整理し、反省をふまえていると
静香は、ぽつりと呟いた。
「愛谷君とふくろう君……親友がお世話になっているので一度、挨拶しないとね」
夕日をバックに斜に構える静香は
まるで、聖母の様だった。
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