フクロウ VS ミカン

21/83
前へ
/353ページ
次へ
「はぁ!? 変なコト言うなコメット!  誰があんな女! 好きどころか恐怖に怯えてるよ! 大体なぁ……確かにミカンは、正義感強くて、大和撫子で、今じゃ珍しい男よりカッケー奴だけど―――」  ここで一呼吸入れる。 「意外と天然で、融通聞かなくて、クソが付くほど真面目で、おまけに修羅の如き強さ。  そんな女を好きになるわけねぇだろう!」  俺はそこまで一気に言うと、愛しい酸素を取り入れた。  彗星が少し目を丸くしている。 「……正直、こんなにムキになるとは思わなかったな……。  いや悪い悪い。なんだ? 共に未だ彼女無しの親友の心配だ」  俺は口を尖らせる。 「この鈍ちん野郎が。てめーはいつでも彼女出来んだろがよ―――」 「んあ? なんか言ったかホースケ?」 「なにも。  そんなコトより今はミカンは敵だ。絶対勝つぞ」 「ああ! 任せろ! 俺の通天閣投法で―――」 「いや、俺が捕れないから!?  つか、投げれんの! 凄くね!?」 「ちなみに球種は、ストレートとフォークだけだゾ☆」 「どこの大魔神だお前は!!」  こうして幼なじみ同士仲良くグラウンドへ着いた。
/353ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3195人が本棚に入れています
本棚に追加