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何か見付けたように手を止めるとオレの方をみてコクリと頷き目を閉じる。
「アマヤマヤエキルイスルゥヌーアカタハマラア……」
何かは不明だが呪文らしきものを唱え、奇妙なダンスを踊り始めた。
「アレールサバラサバラ~アレールサバラサバラ~」
なんだこいつ…
正直、朝からこんなのを見てるのが馬鹿らしくなってきたのだった。
――10分後――――――
やたら長い呪文とダンスに飽きたオレは、制服に着替え、学校の支度を進めていた。すると、いきなり
「ワープッ――!!!!!」
という変な掛け声とともに、猫特有の柔かい肉九がオレのデコに当たった。
「一体、何なん……あれぇ!?」
全てのセリフを言い終わるオレは異変に気付いたのだった。
「どや?驚いたか?」
自慢げな顔でオレを見てくる。
数十台のカメラ、色々な衣装、そしてそこらじゅうに貼られた写真。
そして、鏡。
「はハハ~凄いやろ?オレの必殺ワープ術~(笑)」
こんな場所に連れてくるためにあんな面倒な呪文を… バカだ確実にバカだ。
だってここ、じいちゃんの仕事場だし…
ちなみに家から徒歩5分である。
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