第一夜

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 最後のひとくちを飲み干したボクはゴミカゴを探すが、最近の傾向なのか、昔あったゴミカゴは全て撤去されていた。  仕方なくそのまま腰を上げたボクの視線に、一人の少女が入って来た。  その少女はブランコに座り、揺らす訳でもなく、ただ空を見上げていた。  いつから居たのだろう? 先程視線を巡らせた時には居なかった気がする。ボクが見落としていたのだろうか?  不思議な雰囲気を醸し出す少女に、ボクは心が揺れた。しかし、突然声などかけて叫ばれでもしたら、立派な不審者の出来上がりだ。  ボクは名残惜しい気持ちを抱えたまま、公園を去り、再び家路を急いだ。
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