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そう思ったミヅキは、
「ち、違います」
と弁解するが
「お黙り!」
と女は一蹴にし、ミヅキに怒鳴りつけた。
「全く、親が親なら子も子だよ。」
女はミヅキに視線を合わせて屈むとミヅキの胸倉を掴んだ。
「いいかい、もしアカナ様に逆らおうってんなら、あたし達が殺される前にあんたをあたしがぶっ殺してやるからね」
そう睨みをきかせ、女は乱暴にミヅキを突き飛ばした。
「あんたが生きてんのは、あんたがアカナ様のお気に入りだからだかんね。じゃなけりゃあんたなんかとっくに殺してやってたんだからね」
どうやらこれで満足したらしい。
最後に吐き捨て、女は自分の家へと戻って行った。
ミヅキはその背中を眺めながら、悔しそうに肩を震わせ、じっと小さな拳を握りしめて涙を耐えていた。
「私どうすればいいの……どうしようもないよね。お父さん……私、私」
今にも泣き崩れそうなほど弱々しくミヅキは訴えるように呟いた。
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