始まりの出会い

12/63
前へ
/802ページ
次へ
そう思ったミヅキは、 「ち、違います」 と弁解するが 「お黙り!」 と女は一蹴にし、ミヅキに怒鳴りつけた。 「全く、親が親なら子も子だよ。」 女はミヅキに視線を合わせて屈むとミヅキの胸倉を掴んだ。 「いいかい、もしアカナ様に逆らおうってんなら、あたし達が殺される前にあんたをあたしがぶっ殺してやるからね」 そう睨みをきかせ、女は乱暴にミヅキを突き飛ばした。 「あんたが生きてんのは、あんたがアカナ様のお気に入りだからだかんね。じゃなけりゃあんたなんかとっくに殺してやってたんだからね」 どうやらこれで満足したらしい。 最後に吐き捨て、女は自分の家へと戻って行った。 ミヅキはその背中を眺めながら、悔しそうに肩を震わせ、じっと小さな拳を握りしめて涙を耐えていた。 「私どうすればいいの……どうしようもないよね。お父さん……私、私」 今にも泣き崩れそうなほど弱々しくミヅキは訴えるように呟いた。
/802ページ

最初のコメントを投稿しよう!

276人が本棚に入れています
本棚に追加