始まりの出会い

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「おーい、風呂まだかよ」 そんな外の様子など知らずに、しびれを切らしたアルトが戸を僅かに開いて、顔を出した。 ミヅキはすぐに顔をこすって 「はい、もうちょっと待ってください」 無理矢理笑顔を作って見せた。 「今ドラム缶の準備しますから」 「あ~風呂ってドラム缶かよ」 アルトが複雑そうな顔になった。 それを見たミヅキが 「ドラム缶でも立派なお風呂です。シャワーはないけど結構快適なんですよ」 と説明すると 「ああ、うん、まあ、どうでもいいや」 と投げやりな感じでアルトは言った。 「では、少々お待ちを~」 とミヅキは楽しそうにドラム缶風呂の準備を始めた。
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