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心臓が張り裂けそうなほど懸命に逃げるミヅキだったが、地面にあった小さな溝につまずきバランスを崩して倒れた。
身長は170前後で黒いズボンと赤と白を基調とした炎のような柄がプリントされたライダースジャケットが印象的だった。
人間があの巨大なエグリゴリのミミズを足蹴にしている。
「………あ」
顔を上げるとミミズの化け物が巨大な口を開け、唾液を流した。
もう、おしまいだ。
普段から運がいい方だとは思っていなかがここで終わりか。
そんなことを思い目を閉じた。
「…………?」
だが一向に何も起きなかった。
これはどういうことかと恐る恐る目を開けた。
すると信じられない光景が目に入って来た。
10メートルはある身丈のエグリゴリを1人の少年が足蹴にしていたのだ。
年はミヅキより年上で17~18ほど。
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