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数分後。
「いやー、食った食った。助かったぜ。飢え死にしなくてすんだってわけだ」
全ての料理を平らげ、少年はお腹をさすりながら満足そうに笑った。
「それは良かったですね」
「ああ、久々にまともな飯を食ったよ。今の全部あんたの料理かい?」
「はい、そうですよ」
「へぇー、大したもんだな」
感心したように少年は、平らげられた料理の皿達を見て頷いた。
「はい、私こう見えても料理得意なんですよ」
えっへん、とミヅキは得意気に胸を張った。
「そうか、確かにうまかったよ。助かったぜ」
「助かったってそんな、助けてもらったのは私ですし」
礼を言われ、少し照れくさくなったのかミヅキの顔がほんのり赤くなった。
「まあ、それはそうと、俺の名はアルト。旅をしている。飯うまかったよ。ごちそうさん」
「お粗末様でした。アルトさん、ですか。私はミヅキって言います。危ないところをありがとうございました」
ペコリと可愛らしくミヅキは頭を下げた。
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