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「・・・・お前なんにも聞いてなかったんだな。」
「仕方ありませんよ。今日このあと伝えることになっていたんだから。・・・・・一段落つき、われわれの名声も京に行き渡ったろころで、再び新入隊士を募集しようと思いましてね。」
ああ、言われてみればそんな話もあったような・・・・・。
確かに、これからは僕たちの活躍の噂が広まったことで入隊を希望する人が増えていくだろうし、この間の経験からして、今のままの人数では風邪などの病気が流行ったときに人手不足は免れられない。
そのためにも今のうちに人数を補充しておくのは正解だろう。
「あ、それ、なんか楽しそうですね。」
「・・・そうだ。沖田君にも手伝ってもらいましょう。」
「え、いいんですか!?」
「勿論。いずれ全員に手伝ってもらうことになりますが、沖田君には入隊試験の試験官をやってもらいましょう。」
山南さんはいいことを思いついた、というように手を打った。
「試験官・・・ですか?楽しそう、やりますやります!!」
「ええ。入隊希望者は入隊試験として試験官と手合わせをします。勿論、相手が沖田君はじめ我々では勝てるはずもありませんから、『どこまで戦えるか』で決めるんですがね。 だから沖田君はその希望者と手合わせをして欲しい。・・・いくら試験とはいっても、我々が負けたのでは格好がつかないからね。沖田君なら負けるはずがありませんので。ね、土方君?」
山南さんは説明を終えると、土方さんに同意を求めた。
が、しかし彼は頷かない。そして大真面目な顔でこう言ったのだった。
「いや・・・・山南、沖田が相手じゃ、希望者、全部死ぬぞ!?」
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