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「もういいだろ」
「まだですってば!! それから、『もういいだろ!』じゃなくて『もういいか~い?』です」
「……も、もういいかい?」
言い馴れない語調に、語尾が変に跳ね上がってしまった。
また笑い声が……さっきより遠くから聞こえてくる。
照りつける太陽は熱く、汗をぬぐいながら俺は一体こんな所で何をしているのだろうという気にさせられる。
「いいですよ~!」
総司の声が響いた。
この声を頼りにまずあいつから見つけ出してやろうと声の方向を見るが、気配はもう消えてしまっている。
探し出して今すぐつかみ出したいところだが、缶の傍をうかつに離れるのはよくない。
戦略を立てることに関しては俺は自信がある。
今に見てろ、総司。絶対引きずり出してやる。
そんなことを悶々と考えていたとき。
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