缶蹴り

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「もらったぁ~~~~!!!!」 一人の隊士がこちらに向かって猛突進をしてくる。 あれは確か……原田のとこの下っ端だ。 「今井」 ちょろい。考えなしだ。あの距離から、ならまず不可能だ。 缶を踏んだ。 「甘かったな」 俺は捕獲した隊士に、『収容所(総司設置)』のほうを指差した。 今井はおとなしくそっちに向かったが、 どう見ても『収容所』のほうが俺が今たっている場所よりも涼しそうだ。 くそ。総司め……。そう思っていたときだった。 「甘いのはあんたの方だぜ土方さん!!」 「何ッ………………!!!???」 さっと後ろを振り返ると原田を含む三人の隊士たちがそれぞれ別の方向から鉄砲玉のように走ってきた。 油断した。 俺の今立っている場所から缶まではまだ距離がある。 なるほど。おとりとは考えたな……。 俺も缶を守るべく急いで引き返した。こんなところで負けたら馬鹿にされる。
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