缶蹴り

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「…………総司じゃないのはわかったから覆面をとれ」 耐えかねて言うと、意外とあっけなく、彼は覆面を取った。 だが、覆面をとった顔もやはり俺には見覚えの無い顔だった。 「私は通りすがりの薬屋のものですが、先程倒れている方をお見かけいたしまして、あなたのお連れ様ではないかと……」 覆面の男はそう言った。 「…………総司…………!?」 直感でそう感じた。 頭のてっぺんから足の先に向かって冷たいものが触れていくような心地がした。
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