缶蹴り

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†4-総司† 「…………もう行きましたか?山崎さん」 「行った」 「やれやれ。もう、土方さんたらすぐムキになるんだから……。なかなかの名演技でしたよ、山崎さん」 僕はにやりと笑って竹やぶから出てくると、缶の傍に歩み寄った。 協力してくれたのは、通りすがりの薬売り…………ではなく、新入り監察方の山崎さん。 彼の名演技のおかげで土方さんはどこかへ消えてしまった。 土方さんには悪いけど、この勝負は負けられない。なぜかって? それは『ある人』と賭けをしているから。 「…………私の勝ちです」 僕は大きく足を振り上げた。
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