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「ほう……そういうことか。総司」
突然背後に響いた低い声に僕と山崎さんは飛び上がった。
明らかに怒気を含んでいる。
「あ……土方さん。」
どうやら山崎さんの言うとおり、本当に走りまわってきたらしい、
汗だくになって、肩で息をしている。
「総司……お前よくも…………!」
「い、嫌だなあ。私たち別に嘘はついてないですよ」
さすがに『鬼』といわれるだけあって、怒ると迫力がある。
僕は思わず後ずさりした。
「だってほら、『沖田総司が倒れている』だなんていつ言われました?」
「…………」
土方さんは言葉につまり、自分の思い込みの激しさを責めているようだった。
「ね?でもそうやって心配してくれるだなんて、私は幸せだなぁ」
「う、うるさい!!二人とも切腹だぁ!!!!!」
「きゃー!」
僕は山崎さんと一緒にグルグルと逃げ回った。
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