缶蹴り

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僕を含め、その場にいた全員の目が点になった。 宙に舞った缶が、夕日に照らされて美しい放物線をゆっくり描く。 「何っ!?」 カランと言う音を立てて、缶が地面に落ちると、 その人物はゆっくりと僕らの方を振り返った。 逆光で、まぶしい。 「三番隊隊長、斎藤一」 そう言った彼は、舞台役者のようである。 「し、しまった!後一人忘れてた!!!!」 土方さんが目を見開くと、隊士達からわぁっと歓声が上がった。
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