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「御両親は
何も言って無いの?
ほら、かなりの年齢差だし」
出されたカツ丼を
喰いながら、俺は定治くんに色々と質問してみる
事にした。食べながら
話すのは行儀悪い?
まあ見逃してくれ。
「父は説得出来たんだけど、
母は、止めておきなさいって
そればっかりで……」
俺も定治ママと同意見だ。
定治くんには、
若い嫁さんを
貰って欲しいと思う。
「私と同じ歳の人と
結婚するだなんて、って
凄い剣幕で、
どうしたら良いか」
「どうにもならんだろ」
「そんな……」
世の中には、
どうしたってどうにも
ならない事が有る。
いや、溢れているのか?
溢れているんだろうな。
世間は鬼ばかりってね。
俺達の生きる
この世こそが地獄!
とか思ってみる。
「頑張って説得すれば、
なんとかなりますよ」
真顔で言う定治くん。
頑張ってどうにかなるん
だったら、頑張れば良いさ。
「精々、頑張るんだな」
「うん。でもその前に、
あーくんに認めて貰える
様に頑張るよ!」
頑張る頑張るって、
こうも頻繁に言われると、
何だかな。無性に苛つく。
人間、そんなもんだろう?
「頑張る、ねえ。
気張り過ぎだってば」
「ふんむ!」
間抜けな気合の入れ方に、
俺は爆笑してしまった。
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