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「はぁ~俺はこれからどうなるのやら…」
口に出して言ってみたが流石の俺でも解る、このまま一生花の世話なんだろうな、端から見たら何て事無いかもしれないが花粉症の人間にこれほど堪えることはない…あぁもうまたハナが垂れてきた、鼻紙鼻紙と…………あれ、どこ行った?
「御主ハナが垂れておるぞ、みっともない…」
「うるさいな、今鼻紙を探して…ん、アンタ誰だ?」
「わしは城主、この城の主じゃ。」
「城主…アンタが、何を馬鹿なことを…子供じゃないか。」
「本当じゃ!!ワシはこの城の主なんじゃ!!」
やれやれ付き合いきれねぇや…無視して仕事に戻るか。
「嘘じゃないぞ、彼女は本当にこの城の主なんだ。」
「魔王!!」
「おいす、元気かな奴隷君?」
「んん゛~頭に来るがまぁいいか…それより、この娘が本当にこの城の主なのか?」
「だからそうだと言っておろうが…解らない奴じゃ全く…魔王、説明してやれ、ワシは昼寝をしに行く!!」
行っちまった…何なんだろう?
「彼女は私が来る以前から此処に住んでいたらしい…」
あららこっちも勝手に説明をして…ん?
「らしい…なんだかいい加減な表現だな、それに…」
やっぱりどう見ても子供じゃないか…まるで友人の剣士の幼い頃を見ているようだ。
「ああ彼女は記憶が無いんだ、自分が誰だか解らないらしい…気付いたときにはこの城に居たらしい、自分の記憶を探すために此処に留まっているんだとさ。」
「へぇ…大変なんだな。」
「因に彼女、何故か自分の年齢だけはしっかりと覚えているらしい…見た目は子供だが実年齢は私や君よりずっと上らしい…」
「えぇ~本当かよ…妙な奴等がいるもんだな俺の回りには。」
「ム…奴等とは私も入っているのか?」
「…………え?」
「誤魔化すんじゃないの…まあいい、さて私が来たのは他でもない、君に仕事を与えに来たんだ。」
「仕事ねぇ…聞かなくても予想はつくが…何だ?」
「これから少し出掛けるんだがハウスの植物達に水と肥料を与えてくれないか?」
「あぁ~はいはい…………え?」
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