ボーイズ・ビー

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最悪のできだ。 両津栄造は呟いて席を立った。 窓辺に立ち、胸ポケットからタバコを取り出す。 栄造の目の前には銀杏のガサガサの木肌。 目を上げて枝の先を確認する。 縁の葉が点々としている。しょぼい木だ。 電話が鳴る。 栄造はそのままタバコを吸い続ける。 遠くから踏み切りの音が聞こえる。 腕時計を見た。 五時三分。
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