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「そっかー」
悟は軽く微笑んだ。
あ、可愛い。
登校中だが、悟は腹が減ったのかバックからサンドイッチを出した。
「今日、寝坊しちゃって朝ご飯食べてないの」
恥ずかしそうに笑い、悟はサンドイッチを食べ始めた。
「ドンマイ」
俺は悟の頭を右手でポン、と叩いた。
曲がり角を曲がるとオロオロしている少女がいた。制服は俺と同じ学校だな。
「あ、あの!」
少女は俺達のところに来るなり話し掛けてきた。
「西中ってどこですか?」
少女は尋ねてきた。
「ここを真っ直ぐですよ」
俺は前を指差した。
少女はもしや、転入生か?
「ありがとうございます!」
少女は背中まである黒い髪を揺らし、深々とお辞儀をすると、くるりと前を向き走って行ってしまった。
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