出会い

3/10
前へ
/168ページ
次へ
「そっかー」 悟は軽く微笑んだ。 あ、可愛い。   登校中だが、悟は腹が減ったのかバックからサンドイッチを出した。   「今日、寝坊しちゃって朝ご飯食べてないの」   恥ずかしそうに笑い、悟はサンドイッチを食べ始めた。   「ドンマイ」 俺は悟の頭を右手でポン、と叩いた。     曲がり角を曲がるとオロオロしている少女がいた。制服は俺と同じ学校だな。  「あ、あの!」   少女は俺達のところに来るなり話し掛けてきた。  「西中ってどこですか?」   少女は尋ねてきた。   「ここを真っ直ぐですよ」 俺は前を指差した。 少女はもしや、転入生か?   「ありがとうございます!」   少女は背中まである黒い髪を揺らし、深々とお辞儀をすると、くるりと前を向き走って行ってしまった。
/168ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2283人が本棚に入れています
本棚に追加