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梓の家の前に着くと引っ越し屋のトラックに荷物を積んでいる人と、梓と梓の両親の姿があった。
今日引っ越すのかよ…
[梓!]
[颯斗…]
俺が呼びかけると、梓は驚いた表情を見せた。
俺は梓のもとに近づき、両親に頭を下げた。
[今日引っ越しだったのかよ]
[…うん]
[颯斗くん、梓がお世話になってますね]
梓の母親がニコッとした。
[いいえ]
[ごめんな、おじさんの仕事の事情で引っ越す事になったんだ、おじさんのせいで引き離すような真似をしてしまって]
梓の父親は申し訳なさそうな顔をした。
[いいえ、そんな事ないですって、あ、なんか手伝いましょうか?]
[いや、もう終わるから、大丈夫だ、ありがとう]
[そうですか]
[おい、橋村に言いたいことちゃんと言っとけよ、後悔するぞ]
凌は俺の耳元で小さな声で言った。
[お、おう…、梓!]
俺が呼ぶと梓は悲しそうな顔で俺をみた。
俺が手招きすると、ゆっくり俺のところに来た。
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