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[どこに引っ越すんだよ] [埼玉だよ] [なんだ、となりじゃねぇかよ] […うん] [そんな悲しそうな顔すんなよ、会いたいときは会いに行くから] […うん] 梓は俺に抱きつき泣いた。 [おい、ちょっと離れるだけだぞ?あえない事はない、俺とお前は離れてたって付き合ってる事に変わりねぇんだよ、ほら笑え!] 俺は梓のほっぺを掴んだ。 [クスッ] [ったくやっと笑ったか、向こうで浮気すんなよ?] [颯斗もね] [ったりめぇだろ] [梓!時間だ!] その時、梓の父親の声がした。 [じゃあな!] [うん!] まるでデートが終わったときのように、また明日もすぐに会えるかのように別れを告げた。 俺は車が見えなくなるまで見ていた。
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