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~アンヘルの私室~
アンヘル
「ふぅ……」
カイム
「お疲れ様です、アンヘル………いえ、ベリーベル様」
(アンヘル、仮面を外す、と、そこから年頃の少女の顔が現れる)
ベリーベル
「…ねぇカイム、いつになったら私のことをベルって呼んでくれるの?(不機嫌そうに)」
カイム
「ご冗談を…」
ベリーベル
「冗談なんかじゃないわ、あたし達、同じ歳じゃない。もっとフレンドリーでいいのよ?」
カイム
「歳は同じでも、使用人と議長。差が大きすぎますよ。僕にはとても……」
ベリーベル
「なによ、つれないわね。………ねぇ、カイム。この争いっていつ終わるのかな」
カイム
「…僕には、存じかねます。争いは憎しみの種をまき、さらなる憎しみを生み出す。その憎しみが終わるまで、戦は続くでしょう。おそらく、永久に」
ベリーベル
「お父様が言ってたわ。戦争はお互いの正義のぶつかり合いだって、悪なんか存在しないんだって。口癖みたいに……」
カイム
「ベリーベル様……」
ベリーベル
「彼らにとっては住んでいた大陸を奪った私達は悪でしょうね。でも……私達もここがなければ新たな生活の場を切り開けなかった」
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