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どこかずっと遠~くにある、
不思議な不思議な世界の
不思議な不思議な村の隣の
不思議な不思議な森の中。
一人の若い少年が弓を片手に歩いてる。
少年は村一番の狩人であった。
だが、けして無差別な狩人でない。
村に悪さをする悪い獣だけを狩り。
弱き獣はけして狩らない。
そんな心優しい狩人であった。
しかし…。
今現在、森を歩く少年の目は、普段の優しさをみじんも感じさせない鋭い目をしていた。
少年は今、森の主を狩ろうとしている。
主には、四つの時、初めて狩りをした時から何度も挑んでいたが一度も勝てずにいる。
『今日こそ…今日こそあいつを狩って。あいつの性根を叩き直してやる。』
主との戦いが続いて今年で十二年、今日こそ決着を付けたかった。
森を進んでいた少年が、何かに気が付き突如動きを止める。
『主だ…!』
辺りを見回し、静かに茂みへと入り、静かにその先にいる『獲物』を見据えた。
そこには…。
そこには大きな大きな木があり。
大きな木の上には小さな小さな木の家がチョコンとのっかっていた。
小さな家からは沢山の紐が下の木々に繋げられ、 沢山の何かが干されていた。
沢山の紐の一つの下に『獲物』はいた。
『獲物』は頭に黒い三角ピコピコオミミが、左右対象に着いていた。
『獲物』はお尻に可愛らしいモコモコ尻尾が着いていた。
『獲物』は二本足で歩き、二本の腕で湿った何かを紐に干していた。
『獲物』は小さい銀縁メガネをかけていた。
『獲物』はどー見てもコスプレしたお姉さんだった。
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