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『体に悪くない?僕にだったら沢山吐き出していいよ』
しかし乃愛は俺に笑顔で言った。
嫌な顔を一つも見せなかった。
『他人の愚痴聞いて嫌じゃないのか?』
と昔俺は言った。
すると乃愛は……
『他人じゃないよ。僕達は幼なじみじゃないか。僕はね、友達やクラスメイトの愚痴を聞くのは好きじゃないけど、幼なじみの……清司の愚痴をきくのは嫌いじゃないよ』
『?なんで』
『だって困っている清司の事ほうっておけないからさ。苦しんでる清司を見ると、僕も辛くなるんだ』
……そう、彼女は言っていた。
俺の愚痴をきくのは嫌いじゃないと言った変人の乃愛。
彼女のおかげで昔よりかは悩みや色んなものを吐き出せた。
しかし今回の悩みは話してもすっきりしない気がする。
何しろ約束というものが何なのかもわからない。胸焼けしたような不快な気持ちな上、同じ夢を何度も見ているのだ。
「取りあえず保健室行こう。教室じゃ話しにくいでしょ」
「……あぁ」
話しても無駄かもしれない。しかし心配そうな乃愛の表情を見ていたら俺は、無意識に頷いてしまったのだった…
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