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腰に携えた剣を重く鳴らせ、ゆっくりとした歩調で大男がこちらに向かって来た。
「店主よ、俺達がここに来た理由、分かってんだろうな?」
低くてドスの効いた声、粗暴な口調。
なによりもその右頬に刻まれた傷が、店主を異常なまでに威圧した。
この大男が犯罪課の長なのだろう。
「悪いがお前はAランクの犯罪者だと聞いている。
残念だが、重い刑は避けられないだろうな。
さて、お話は終わりだ…
この店に居る連中を片っ端から連行しろ!!」
後ろを振り向き、耳が痛くなる程の大声で大男は部下に指示を飛ばした。
あまりの迫力に、部下まで一瞬たじろいだが、流石に普段から慣れているのだろう。
店内に居る者全てを捕らえ始めた。
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