産声

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それから6年の月日が流れた 「早く行くよ!」 ゼノンは玄関を開けルンルン気分で両親に呼びかける 「待て待て、そんなに急かすな」 「そうよゼノン、そんなに急がなくても間に合いますよ」 ゼムとアンはゼノンに袖を引かれながらも優しく諭す、が 「だって今日は学園の入学式なんだよ!?早く行かなきゃ!」 と、全く聞いていない。それどころか腰に手を当て顔をしかめている 今日は6歳になったゼノンが“ベイセルク魔法学園”に入学するのだ だからだろう、ゼノンはウキウキして落ち着かない 「じゃあそろそろ行くか!」 ゼムがアンとゼノンの手を握りながら口にする 「早く早く!」と言いながらつないだ手をブンブン揺らすゼノン、それを見て優しく微笑むアン そんな2人を優しい眼差しで見つめゼムは小さく呟く 「ベイセルクまで……《転移》」 一瞬の光の後、3人の姿はなくなっていた
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