第一章 国立北魔法学校

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「フレイ、大丈夫だったか?」 一人の友人が心配そうに、遅れて来たフレイに声をかけた。 フレイは笑って答える。 「ちょっと捕まった。だけど問題ないよ。叔母さんだからね。適当にごまかしといた」 そっか、とつぶやき、友人は安堵の色を見せる。 別の友人はからかうように笑いかけた。 「じゃ、今度ファイザー先生がキレたら、フレイに任せるか」 「勘弁しろよぉ~。それはいくら叔母さんでも、無理」 そんなフレイたちの他愛ない会話を掻き消すように。 突如、学校中にブザーが鳴り響いた。 「なんだ?」 友人の問いに答えるよう、切迫したアナウンスが流れる。 『緊急事態発生、緊急事態発生。妖魔が学内に進入したもよう。 外にいる生徒は速やかに校舎内に避難。担当の教員は結界の準備をし、その他の教員は生徒の安全を確保せよ。繰り返します…』 「妖魔だってさ」 「先月も来たよなぁ」 「いいじゃん、授業潰れるし」 「今度はどんな奴だろ」 フレイたちは窓に駆け寄った。 校門の辺りから豆つぶのような黒い影が現れ、次第に大きくなりつつなるのが見えた。
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