序章~プロローグ~

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「んなっ!?」 来年ももうすぐの12月。 学校帰りの寄り道。 本屋の中。 どこにでもいるような高校一年生の時渡竣は声を荒げた。 一瞬、時間が止まったように静かになり、 本屋にいる店員や客の視線が時渡に向けられる。 そして、皆は“正常”に戻った。 竣は、その皆の視線が向けられていた“一瞬”が長く感じられた。そして怖かった。 「全滅かよ……。せっかく時間割いて沢山寄ったのに……」 ガックリとうなだれた。 竣は探し物をしていた。 自分のお気に入りの漫画の発売日だから、 ではなく、 おっかない姉のためだった。
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