序章

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太古の昔、人々は戦争に明け暮れていた。 我が国を守ろうとするもの。 他の国を占領しようとするもの。 ただ、戦争を好んでするもの。 戦争は長く果てしなく続いた。 人々は軍事力を欲した。 どの国にも負けない最強の軍事力を、今以上の軍事力を。 ある日、一つの国が“魔法”を手に入れた。 次々と国々を滅ぼしていく、“魔法”は強大な力だった。 しかし、他の国もすぐに“魔法”を手に入れることができた。 戦争は終わるどころか、ますます悪化していった。 ついに、国と呼べる国は四つだけとなった。 もう、みんな戦争に疲れきっていた。 四つの国は戦争を終結させるために、巨大な魔力を持った四つのクリスタルを、それぞれ一つずつ所持することで戦争に終止符を打った。 そしていつしか、四つの国は一人の魔法使いに治められ、“エレメント”と呼ばれるようになった…… 「これテストに出るから覚えておけよ」 そう言って、教壇の前に立つ眼帯の男は教科書を閉じた。 「今日の授業はここまでだ。午後からは新一年の入学式があるから忘れるな」 眼帯の男は冷たくそう言い残し、静かに教室を出た。
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