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「急に立ち上がってどうしたの?」
「帰る」
少年は即答するとケビンの方を見る事も無く広場から出て行こうとする。
「あっちょ、ちょっと待って!
また……ここに来る?」
ケビンは慌てて言うが、少年は振り向かない。
それに不安になったのか、尻すぼみな言い方になってしまう。
「……お前の名前は?」
「え?」
今までの話の流れを無視する様な予想外の質問にケビンは素っ頓狂な声を出す。
「だから、お前の名前は?」
飽きれた様な口調だが、少年の声はひどく穏やかだ。
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