留学

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「うん。分ってる。」 え? 京介は頷くと携帯を取り出して誰かに電話をかけはじめる。 へ? は? 何? そんな簡単に頷いて…。 ん? 私は混乱をおぼえる。 「小雪。」 「え?はい。」 突如京介が私を呼ぶ。 「何?」 「留学がなかったら一緒に行ってくれる?」 …………うわびっくりした。 いきなり何を言うのですか。 「いや…まぁ、うん。」 でも確かに留学がなかったら着いてくよ。 絶対。 断る理由も無いし。 「そう。」 そう。 って何? いきなり何なの? 京介は耳に携帯をあてなおした。 えー…と。 誰か今の状況教えて下さい。 「小雪。」 「にゃ?」 呼ばれて振り向く。 「小雪の留学先パリになったから。」 「へぇ、そう。」 …………。 ってえ゛ぇ!? 「パリ!?」 「不満?」 不満っじゃないけど…。 何がどうしてそうなった? 「京介。」 「ん?」 「なんでそうなったの?」 「ん?」 携帯をポケットにしまいながら戻って来る京介。 「んー…財力。」 さらっと言った。 金持ちって怖ぇ。 「なんて嘘。」 って嘘なんかい!! 「ただ北條の理事長がちょっとした知り合いで小雪が俺の奥さんだって言っただけ~。」 やっぱり財力じゃないか!! そう言いながら抱き付いて来る京介。 「小雪は嫌?」 耳元で言われる。 嫌じゃないけど… 下を向く。 「こーゆき。」 そしたら顔を向けさせられてキス。 「ちょっ…京介!!」 一気に真っ赤になった。 「あははは…いい加減慣れましょう?」 ~。 慣れるわけないじゃん。 だって京介格好いいんだし。 「~もう!」 真っ赤な顔で膨れる。 と京介は逆に真面目な顔になった。 「一緒に行こう、小雪。」 ドキンッ 心臓が一際大きく跳ねる。 「は…はい。」 その顔で言うの反則です。 こうして、私と京介はフランス・パリに行く事になった。 「まぁ、新婚旅行も兼ねてと思えば楽しいよ!!」 おいおい。
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