留学

2/8
前へ
/197ページ
次へ
「留学ぅ!?」 いきなりのことで叫んでしまう。 「うるさい!!」 「あ…すいません。」 大学の講師室。 「いいだろ?行って来い。」 行って来いって… そんな軽いのりで言わないでよ。 「まぁなんだ。そんな1年なんて言わないからさ。そうだなぁ…3か月。」 3か月だぁ? 十分長いよ!! 「あの、お言葉ですが先生。私「拒否権はない。」 なにぃ!? 「これは正式な通達だ。ぶっちゃけな。」 ほれって紙を渡される。 えぇぇぇぇぇぇぇぇ!? 何なんだろうこの講師。 腹立つなぁ。 大学生になって。 京介と結婚して。 まだ新婚ほやほやのこの時期に。 また京介と離れ離れになれと。 そんなの…絶対に嫌っだ!! あんな思いまたしたくない!!! 「まぁなんだ。学んで来い。」 そう言って話を切られた。 ってかプリント!! 良く見ればあーた。 「出発来週!?」 「あー…わりぃ。」 をい!! 「いきなり航空券取れるわけ無いじゃないですか。」 「大丈夫だ。」 何が。 「なんとかなる。」 ………おーい…。 「馬鹿講師!!」 そう罵声を飛ばし私は講師室を出て行く。 なんだあれは!! なんだあれは!! 「あーれーてーるー。」 けらけらと私を指差して笑っている人物が1人。 「こまつ。」 「そんな荒れてると皺ができるぞ!」 標準語で言われるとムカつくわ。 「小松には関係ない。」 「小松ちゃう!!胡茉や!!」 ………よし。 何となく心の中でガッツポーズ。 大学に入ってからのこまつはなぜが少しおかしい。 最近あまりなまらなくなっている。 何処かおかしい。 でも何となく分るんだ。 私達が通っているのは北條学園大學部。 そう、そのまま3人仲良く進学したんだけど…。 最初はん?って感じだった。 あまりなまってない? みたいな。 けど気が付いたのは私の結婚式。 その日は全くこまつはなまらなかった。 それからだ。 こうして誘導しないと喋らなくなったの。 「分ったから。」 「偉い違いやで。てか何荒れてんねん。」 2人で階段を降りる。 「こーれ。」 こまつにさっき講師に渡された紙を渡す。
/197ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2078人が本棚に入れています
本棚に追加