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「なんで謝るんだよ。俺、楽しいよ?」
そう笑う京介。
だけどね、私は複雑なんだよ。
「それにこれだけで小雪と結婚出来るなら俺は全然。」
うん。
京介が嫌そうにしてないのは見てればわかる。
でも、でもね。
私が後ろめたいんだ。
「小雪?」
京介が覗いてくる。
「ん?」
「どした?」
あ…。
「何でもない。」
私、トリップしてた?
慌てて首を振る。
「ん?なんか怪しい。」
ギックン
内心焦る。
何故?
「俺に隠し事してる?」
「え?」
益々焦る。
どうして?
それは多分私に後ろめたい気持ちがあるから。
それに…
「約束。隠し事はしないって約束しただろ?」
そんな…顔して見ないでよ。
眉を寄せる。
「り…りゅう…」
「りゅう?龍がどうかした?」
言えるわけないでしょ!!
でも…言わないと…。
「留…「着きました。」
え?
は?
車が止まる。
外を見る。
ってここ…
「御栄邸…」
なんで?
京介と結婚して私と京介はそれぞれ家をでた。
で今は北條学園の近くのマンションで暮らしている。
「ちょっと用事があってさ…」
用事?
「小雪もおいで。」
へ?
手をひかれ一緒に降りる。
いつ見てもでかい。
大豪邸。
車を降りて玄関を抜けると久しぶりに見たメイドさん達のお出迎え。
「お帰りなさいませ京介様、小雪様。」
うぅ…。
慣れない…。
そのままメイドさん達のお出迎えを抜け階段を昇る。
その瞬間どこに行くか分る。
京介の部屋…。
でもなんで?
用事ってなんでしょう?
ガチャッと扉を開けて中に入る。
久しぶりだこの部屋。
ソファに座りながら聞く。
「で、用事って何?」
実家に帰って来るほどの用。
はて?
「うん。それなんだけど…」
何故かいきなり表情が曇る京介。
「小雪、3か月。3か月でいいから俺と一緒に来て欲しい。」
ん?
何処に?
目をパチクリさせる。
「俺とパリに一緒に行ってくれないか?」
…………………何故ぇ!?
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