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「わしはな……お前に継いでほしいとは思っていない。」
「えっ……?」
思ってもいなかった、祖父の言葉。
あまりにも意外なその言葉に、鷹夜は呆気にとられたように目をしばたかせた。
「どういう……」
「お前が嫌いだから、というわけではない。
むしろ逆だ。
かわいくてしかたがないからこそ、お前には継いでほしくなかった……」
初めて見る、祖父の寂しそうな表情。
それだけでも衝撃なのに、当主を継いでほしくないだなんて―――
「―――どういうことか、教えてください。」
「そのつもりじゃよ。
―――当主とは、強い者。
これはわかるな?」
子供とは思えないその表情に、祖父はくすりと笑う。
しかしすぐに淡々とした表情に変化させると、ゆっくりと口を開いた。
「強い者でなければ、召喚神たちを使役することはできない。」
「―――はい。
そして召喚神たちを使役することで、当主は絶大な魔力を得ることができます。」
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