ショートストーリーⅠ

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「そんな……」 「事実だ。 現に、わしの命も、もう燃え尽きようとしている。」 驚愕に目を見開く鷹夜に、祖父は淡々と呟く。 まるで人事のように――― 「でも……名前だけとはいえ、今の当主は僕なんですよね?」 ならば、蝕まれるのは自分のはずでは――― そう思って鷹夜が呟くと、祖父はゆっくりと口角を上げた。 まるで悪戯が成功したかのような、楽しそうな笑みである。 「わしはな、当主になれるような器はない。 だが歴代の当主にはない、特殊な力を持っているんだよ。」 答えになっていない、祖父の言葉。 鷹夜は意味がわからずに首を傾げていると、祖父は青白い顔を綻ばせながら口を開いた。 「わしの力は、相手の力を奪う『吸収』。 この力を使って、お前に降り懸かる呪いを吸収したんだ。」 「なっ……?!」 鷹夜は声を詰まらせながら、自分の胸を押さえる。 .
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