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そして一度扉の外に顔を出すと、何かを呼ぶように手招きした。
「こっちだよ。」
「お父様……?」
父の不可解な行動に、まりえは再び首を傾げる。
しかし父は直ぐさま戻ってくると、にこりと笑みを零した。
「お待たせ、まりえ。
クリスマスプレゼントだよ。」
そう言って、父は扉から体を横にずらす。
するとその父の背後には、同い年くらいの少年が立っていた。
「……?」
「彼は華野鷹夜君。
今日からうちの執事として働いてくれるんだ。」
「はじめまして、華野鷹夜と申します。」
目を点にしているまりえに、少年―――鷹夜は笑みを浮かべる。
「ちなみに、鷹夜君はまりえの一つ下だよ。」
「年下っ?」
ということは、5歳―――?
そんな少年が、これから執事としてこの家で働くのだ。
どちらかと言うと、うれしさよりも驚きのほうが大きい。
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