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まりえの不安を取り除くかのように、鷹夜は優しく微笑む。
その年下とは思えない柔らかく落ち着いた態度の鷹夜に、まりえの中の不安がゆっくりと溶けていく。
「私に……教えてくれる?」
「まりえお嬢様さえよければ、是非。」
恐る恐るといったように尋ねるまりえに、鷹夜は鷹夜は笑みを浮かべたまま頷く。
「お父様、いい?」
「もちろんだよ。
鷹夜君だったら、お父さんも安心だ。」
そう言って父は鷹夜に顔を向けると、鷹夜の頭にぽんっとその大きな手を置いた。
「それじゃあ、鷹夜君。
執事の仕事をしながらで大変かもしれないが、よろしく頼む。」
「かしこまりました、旦那様。
そしてまりえお嬢様、いたらぬ点もあるとは思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。」
父の言葉に鷹夜は力強く頷くと、そのまままりえに視線を向ける。
まりえに小さな師匠ができた瞬間であった。
†END†
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