199X年 8月10日

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・ ・ ・  フロリダ州マイアミ北西部に位置するスラム街。 「ってーなぁ。何すんだテメェ?」 「邪魔なんだよ。ここは俺達のシマだぜ? 勝手に居座る分際で、いちいち口ごたえすんじゃねーよ」 「んだとぉ!?」  各地からの移民・難民も多く、小競り合いは日常茶飯事。  かつ、かつ、…… 「よお、兄ちゃん。今月分の金、さっさと出しな」 「すっ、すいません! まだ用意がぐはぁ!」  暗い路地のその中で、いつものように人が倒れる。  かつ、ガツッ、「あ痛!」……。 「くっ、クスリを……クスリをぉおおおおおおおおおおおっ!!!」 「うるせんだよ」  強い者が生き、弱い者の命は散る。  かつ、かつ、「……何やってんのよ」……  金と権力が全て、それ以外このスラムには必要ない。  かつ、かつ、……。 ・ ・ ・  そんな街の入り口付近に立つ、黒タイツに身を包みジャケットをはおった1組の男女。  まともな服さえ着ていない者がいるとはいえ、その格好はひどく浮いている。  男はしきりに足を気にしており、女は呆れ顔でその横を歩いていた。
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